「広く一般の人にも、ビールの奥深さを知っていただきたい!」
という思いから、日本ビール検定(びあけん)を立ち上げる

サッポロビールは創業から100年を超える、言わずと知れた老舗のビールメーカーです。
従業員数は2,000人を超え、業務のセグメント化が進むことで、ビールのことを知らない社員が増えてきてしまっているという課題を抱えていました。
一般社団法人 日本ビール文化研究会
理事事務局長 大登貴子さん
大登さん、今日はよろしくお願いします。まずは検定を立ち上げた当時の状況をお聞かせいただけますか?
私どもはビールメーカーです。ビールが好きなメンバーが集まっている会社ではあるのですが、中には「ビールのことに詳しくない」「ビールの良さを伝えられない」という社員が少なからずいました。業務がセグメント化してきて、普段の仕事でビールに一切関わらない社員が増えてきてしまっているのが原因でした。
大登さんもビールは大好きですか?
もちろん大好きです!好きだからこそサッポロビールに入社しました。でも私もビールの知識を持っているのかと聞かれたら、確かにそんなに詳しいわけではなかったんですよね・・・。
ビールのことに詳しくない社員に向けて、資格制度を設けたんですよね?
そうです。サッポログループの従業員のみを対象に「ビールアドバイザー」という社内資格制度が1999年から始まりました。ちゃんと教科書も作ってたんですよ。
従業員の方はビールアドバイザーに合格すると、何か特典はあったんですか?
合格すると名刺に「ビールアドバイザー」の肩書が記載されるんです。名刺交換した取引先の方々には思いの外大好評で、「 サッポロの従業員じゃなくても受検できないのか?」という声が上がってきたんです。
そんな時に、私どもにご連絡いただいたってことですか?
そうなんです!ビールアドバイザーを立ち上げて10数年が経過して、ビールアドバイザーの教科書もたいへん立派なものになりました。そこで「広く一般の人向けのビールの知識を問う検定試験をやってみよう」ということになり、日販さんに連絡させていただきました。
既に教科書もあったから、一般向けに広げやすい環境は整っていたってことですね。
そうですね。しかも10年もやってるとビールに関する新しい知識もどんどん付け加えられていったので、1階級しかないビールアドバイザーよりも、知識の深さによって1級、2級と複数の級を設けて級ごとにチャレンジできる「検定」という形は、ちょうどピッタリでしたね。
でもなぜ私どもの検定ソリューションのサービスを採用していただいたのですか?
正直いろいろな選択肢がありました。全て自前でやってみるという選択肢もありましたし、日販さん以外の会社にお願いするという選択肢もありました(笑)。でも日販さんの検定ソリューションの何よりの強みは、様々なジャンルの検定試験の運営実績があることはもちろん、こちらのやりたいことをただ引き受けてくださるだけではなく、コンサル的な役割を担っていただけるところが大きな魅力でした。
それはどういう意味ですか?
私たちは一般向けの検定試験の運営は素人です。だからどうしたらより多くの方に楽しんで受検していただけるのかが全くわかりません。でも日販さんは「痒いところに手が届く」というか、私たちがわからないこと、私たちが心配なことを、クリアに解決してくれるソリューションをお持ちでした。その安心感といったら、ほんとに頼りになりましたよ!
そこまで言っていただけるとたいへん嬉しいです。でも私たちも「どうしてもびあけんは自分たちの手でやってみたい!」という思いでしたよ。
そうですね、確かに日販さんの前向きな姿勢にも安心感がありましたね。「日販さんにお任せすれば大丈夫だ」と、なぜか思わされてました。騙されたのかな…?? 笑
ビールアドバイザーの教科書を、一般の出版社から発行することにもなりましたよね?
はい。そこも日販さんを選択した理由の1つです。日販さんの本業は本の流通ですから、びあけんの公式テキストブックがちゃんと本屋さんに並ぶっていうのはとてもありがたいですよね。また、受検者の問い合わせ対応窓口(コールセンター)の充実もまた、日販さんのソリューションの強みだと思います。
サッポロさんはメーカーさんですからね。つくり手側の思いを伝えたいというのは、当然の話ですよね。
ビールのことを勉強して、知識を得たあとに飲むビールを大切に飲んでいただければ、何よりです。
びあけんの今後の展開は? 何か考えていらっしゃいますか?
受検者が遂に3万人になりそうです(2020年2月現在)。すごい人数ですよね。
これからも受検の機会は公平に厳粛に行いながら、受検者や合格者が増えた今、びあけんを通じてビールを一緒に飲んだり語ったりできる場の創出に、新しくチャレンジしていきたいと思っています。 
昨今、若者のビール離れが叫ばれてますよね?
いやいや。やっぱり仕事を終えた後に職場のみんなと一緒に飲みに行って、「とりあえずビール!」の文化は失いたくないですよね。もちろん私は今も昔も1杯目は「とりあえずビール!」です!!